上野為二とは?
上野為二は、明治34年に京都で生まれた染織家です。為二の生家は元々京友禅の製作に携わってきた家系で、父である上野清江も京友禅の名職人として知られた人物でした。
為二は、そんな父から京友禅の技法を学びました。為二は父から教わった京友禅に加賀友禅の技法を加えた京加賀と呼ばれる技法を習得しました。
さらに、染織の技術に留まらず、動物画を得意とした画家である西村五雲から日本画家を、関西美術院では西洋画を学び、友禅のデザインの中に絵画の構図を取り入れました。
そのため、2つの代表的な友禅技法と和洋の絵画の技法を合わせ持った為二の友禅は、大胆な構図で自然の情景を美しく描くことで知られています。
為二の作品は加賀友禅にみられるような自然をモチーフにした構図が多く用いられます。例えば代表作である「一越訪問着黎明」では、冬空の下で見事に咲き誇る椿の花を、「友禅一越地訪問着「歓喜」」では、狩野派の日本画を思わせるような大胆な構図で鶏のいる風景が描かれています。
さらに描かれた自然の風景を京友禅の技法である刺繍や金箔を用いた装飾で彩ることで、より華やかで大胆な為二独自の世界を演出しています。その芸術性が高い評価を受け、昭和30年は人間国宝に選ばれました。
人間国宝に選ばれた5年後の昭和35年、為二は残念ながらこの世を去ります。しかし、その作風は、為二の息子たちに受け継がれました。
為二の長男である上野 忠夫は「上野工房」という着物工房を設立し、その技法を後世に受け継ごうと努力を重ねました。その結果、上野家は、現在でも着物の名家としての地位を確立しています。
為二の孫にあたる上野真は、二代目上野為二を襲名して着物の創作に取り組んでおり、市場でも高い評価を得ています。
上野為二の着物の価値
上野為二の着物については、芸術品として高い評価を得ています。市場で出回ることはめったになく、もし出回るとすると簡単に値段がつけられない程の高い価値があると言われています。
為二作の着物は、二代目上野為二(上野真)の作品と混同されることが多々あります。着物の販売店でも、サイトにより、二(弐)代目上野為二、四代目上野為二(為二の父から数えると四代目に当たるため)表記しているところがあり、上野家のどの作家の作品なのか非常に判別しにくい部分もあります。
実際に、オークションサイトや着物販売店でも表記のぶれからトラブルになってしまうこともあるようです。
正確に初代上野為二の着物を判別するには、落款(作家のサイン)と着物の作風から査定を行う必要があります。ただし、初代上野為二の時代の着物は時代を経て落款が抜け落ちてしまっていることもあるため、特に判別が難しくなっています。
一般的に初代上野為二の作品は、繊細な糊伏せ(友禅において色が他の模様に移ってしまうことを防ぐ技法)による仕上がりで知られています。
対して二代目上野為二の作品は、特殊な糊を用いて下絵をなぞることで色移りを防いでいます。また、模様において二代目は、茶屋模様という図柄をよく用いることでも知られています。
二代目上野為二の作品についても買取相場で数万円から数十万円の価値がありますが、初代上野為二の作品は、良い状態で発見されればそれを上回る価値があります。
ただし、素人目では為二の作品を正確に判別することは難しいため、家庭に受け継がれる古い友禅の着物で作者不詳のものや為二と思われる落款があるものがある場合、早めに専門知識のある着物買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
人間国宝物の着物を多数扱った実績のあるような買取業者であれば、確かなノウハウに基づき、上野為二作の作品を正確に査定できることが期待できます。
また、上野為二以外の作家物や種類ごとの着物の買取相場について知りたい方は、「着物の種類や素材別の買取相場まとめ!高く売るコツは?」を参考にしてください。
上野為二の着物を売るのにおすすめの買取専門店
バイセル
上野為二の着物を売るのにおすすめする買取専門店はバイセルです。
上野為二の着物は価値が高く、二代目の着物であっても数万円から数十万の価値がありますが、査定が難しいため、着物の専門知識がない店舗やリサイクルショップでは、正しい査定をすることができません。
バイセルに査定を依頼した場合は、着物の知識が豊富であるプロの査定士が、初代と二代目の区別をして、正確に上野為二の着物を査定してもらうことができます。
バイセルは他店でも1円でも安かったら返品可能を掲げており、上野為二の着物も高価買取が期待できるため、まずは気軽に査定依頼してみることをおすすめします。
また、さらに詳しくおすすめの着物買取店について知りたい方は、「着物買取おすすめランキング!評判や口コミから35社を徹底比較!」を参考にしてください。