江里佐代子とは?
江里佐代子は1945年に京都市で生まれた截金師です。截金(きりかね)とは、薄い金箔、銀箔、プラチナ箔などを重ね合わせ厚みを出した金属を用いて細かな模様を表現する技法です。
この技術は、古代ヨーロッパに由来する大変古い技術で日本には1400年頃伝来しました。主に仏具に模様を施す際の技術として重宝されましたが、後年になって別の技術が登場したことにより衰退しました。
江里佐代子の家庭は、京都で刺繍工芸を生業としていました。その影響から佐代子も芸術の道を志し、高校では日本画家を、短期大学では染色を学びました。その後仏師の江里慧星と結婚し、以降、截金師の北村起祥から截金の技術を学びます。
元々截金は仏具の製作や修繕に用いられてきた技術のため、佐代子の時代には本願寺の保護を受け、極少数の截金師に受け継がれていました。佐代子はその截金技術を仏具だけではなく香具や屏風などの装飾品として応用しました。
截金という技術を世に広めた佐代子の作品は、日本工芸会総裁賞、日本経済新聞社賞、高松宮記念賞など数々の賞に輝きました。
また、教壇に立つことにも力を入れ、京都造形芸術大学、龍谷大学の客員教授、東京芸術大学大学院の非常勤講師をそれぞれ勤め精力的に活動しました。
これらの活動の結果、佐代子は、2002年に全国最年少で人間国宝の指定を受けました。人間国宝に指定された翌年には、夫の慧星とともに京都府文化功労賞を受賞しました。
その後も、京都迎賓館の「藤の間」の装飾に携わるなど華々しい活躍を続けますが、2007年、ヨーロッパへの外遊中に脳出血のため急逝しました。現在は、佐代子の長女である江里朋子が截金の技術を受け継ぎ、次世代の截金師として活躍しています。
江里佐代子の着物の価値
江里佐代子は、截金師という職にありながら仏具だけでなく様々な工芸品、芸術品の製作に携わった人物です。着物の製作もその一環です。
着物については、佐代子本人が着物の織りや絵付けを行った訳ではなく、あくまで監修という立場で製作に携わりました。
佐代子の着物は、截金師としてのノウハウを活かした金を基調としたものが多いのが特徴です。佐代子の截金は、細かな文様と立体感のある色調が特徴とされていましたが、その特徴は着物にも存分に生かされています。
着物の素材にも高級素材である正絹を用いたものが多いため、フォーマルな晴れの場に用いる着物として高い人気を誇っています。その作風は、日本国内に留まらず海外でも高い評価を得ています。
佐代子は、62歳でこの世を去ってしまった上、その制作分野は多岐にわたるため、着物や帯の製作件数はごく限られています。そのため、希少価値も高いため、買取においては高値が期待できます。
具体的な買取相場は、着物や帯の状態によって異なるものの、数万円〜数十万円での買取は期待することができます。
また、佐代子の着物は、その特性上金箔や金糸を多く用いています。そのため、着物や帯そのものの価値より、着物の材料の貴金属としての価値が上回ることもあります。
また、江里佐代子以外の作家物や種類ごとの着物の買取相場について知りたい方は、「着物の種類や素材別の買取相場まとめ!高く売るコツは?」を参考にしてください。
江里佐代子の着物を売るのにおすすめの買取専門店
バイセル
江里佐代子の着物を売るのにおすすめする買取専門店はバイセルです。
佐代子は一般的には截金師として知られているため、佐代子が製作に携わった着物があることはあまり知られていません。
そのため、着物の知識に乏しい業者やリサイクルショップに査定を依頼した場合、その価値を見逃してしまう可能性があります。
バイセルは、人間国宝の着物を扱った実績が十分にあり、着物の知識が豊富であるプロの査定士によって、江里佐代子の着物を正しく査定してもらことができます。
バイセルは他店でも1円でも安かったら返品可能を掲げており、江里佐代子の着物も高価買取が期待できるため、まずは気軽に査定依頼してみることをおすすめします。
また、さらに詳しくおすすめの着物買取店について知りたい方は、「着物買取おすすめランキング!評判や口コミから35社を徹底比較!」を参考にしてください。