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絣(かすり)とは?
絣とは色糸を様々に織り交ぜて模様を描き出す着物のことを指します。素材は綿・絹・麻と産地や織元によって様々です。絣は元々インドで生まれた織物で、東南アジアを経て琉球(沖縄)から日本へ広まったとされています。
絣は江戸時代以降に庶民の普段着として親しまれた着物です。その後戦時中には女性の着物着用が禁止されたことから、絣の着物がモンペに仕立て直されるなど紆余曲折ありましたが、戦後しばらくまでは親しまれてきました。
しかし現在では着物を普段から使う習慣もなく、織元の数も少なくなってきていることから、絣の着物は伝統工芸品として大変高い価値を持つようになりました。
綿の絣
綿の絣は使い込むほど柔らかくなり、通気性と吸収性が増していくのが特徴です。そのため年間を通して使用でき、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができます。
久留米絣
久留米絣は福岡県久留米市の周辺で生産される絣です。江戸時代に琉球から伝わった織物を元に、当時12歳の少女が創始したと伝承されています。1956年に無形文化財の指定を受け、1976年には伝統工芸品の指定を受けました。
備後絣
備後絣は広島県福山市の周辺で生産される絣です。備後地区は絣の一大生産地として知られ、最盛期には年間300万反の絣の織物が生産されていました。現在は普段着としての絣の衰退にともない、わずか2社の織元が残るばかりとなってしまいました。
伊予絣
伊予絣は愛媛県松山市の周辺で生産される絣です。江戸時代後期に、鍵谷カナさんという女性が独学で折り始めたことを発端としています。
最盛期には年間200万反も生産されていましたが、現在ではわずか1社の織元しか残っていません。松山市にある民芸伊予かすり会館では、伊予絣の織の実演を見ることができます。
薩摩絣
薩摩絣は着物好きが最終的に行きつく着物だと言われており、大変貴重で高い技術の粋を集めた織物です。薩摩絣は藍染の綿糸を大島紬の技術を用いて織り上げて作られます。
使われる糸が非常に細かいため、一見すると絹のような光沢と肌触りがあります。同時に綿独特の着心地の良さも両立しています。
麻の絣
麻の絣は軽い肌触りが特徴です。通気性も良く、夏の着物として用いれば快適に過ごすことができます。
越後上布
越後上布は麻織物の中で最高級とされているものの一種です。産地は新潟県の南魚沼市や小千谷市です。越後上布の歴史は古く、奈良時代に正倉院に収められたという記録も残っています。
布の漂白を行う際、越後の雪の上に布をさらす独自の製法でも知られています。
越後上布の特徴や買取相場についてさらに詳しく知りたい方は、「越後上布の買取価格相場とおさえておきたい高価買取のポイントを徹底解説!」を参考にしていただければと思います。
能登上布
能登上布は石川県の鹿西町や羽昨市を中心に生産されている麻織物です。こちらも越後上布と同じく、奈良時代から記録を残す由緒正しい織物ですが、現在は織元がわずか1軒を残すのみとなってしまっています。
櫛押し捺染やロール捺染と呼ばれる独自の染技術を用いて作られ、その技術は無形文化財にも登録されています。
越後上布の特徴や買取相場についてさらに詳しく知りたい方は、「能登上布の買取価格相場とおさえておきたい高価買取のポイントを徹底解説!」を参考にしていただければと思います。
小千谷縮
小千谷縮は新潟県小千谷市周辺で生産される麻織物です。その生産技術は越後上布とともに国の無形文化財に指定されています。小千谷縮は製造工程で布を湯もみすることで、布地に「しぼ」を出すのが特徴です。
細かい糸を用いて製造されるため、1反(およそ着物1着分)の布を織るのに900回手を動かして完成させます。
絹の絣
絹の絣は表面に独自の凹凸があり、肌に布地が張り付かないのが特徴です。そのため汗ばむ夏場の着物として重宝されます。
琉球絣
琉球絣は沖縄県の南風原(みなみはえばる)町を中心に製造される織物です。琉球絣には600種を超える模様があると言われており、鳥や犬などの生活の中にある自然の模様を取り入れているのが特徴です。
絣の買取相場
絣は日用の着物であるため、無名や証書(着物の品質証明書)のない絣の場合、あまり高値がつくことはありません。一般的な絣の場合、買取価格は良くても数千円程度に留まります。
しかし先に述べたような伝統工芸品の絣の着物は造り手が少なくなってきているため希少価値が高く、場合によっては1万円以上の値がつくこともあります。
実際の絣の買取事例
買取専門店である六角堂は、浴衣の実際の買取実績を公開しており、以下のような買取実績があります。
絣を高値で売るポイント
絣の着物は日用品として使われていますが、希少価値の高いものであれば思わぬ高値で買取されることもあります。絣の着物を高値で買取ってもらうためのポイントは下記のとおりです。
専門知識のある買取専門店で売る
着物の正しい価値を判断するには専門知識が必要です。専門知識を持ったスタッフがいないリサイクルショップなどで買取査定を行うと、伝統工芸品であっても「着物=一律○円」と安値で買取られてしまいかねません。
着物の買取については、専門知識を持った鑑定員がいる買取専門店に依頼するとよいでしょう。
状態が良いものやサイズが大きいものは高値がつきやすい
同じ着物であっても、汚れやシミが目立ってしまうと買取価格は下がってしまいます。着物は畳み方や虫干しなどしっかり手入れをすれば長持ちし、綺麗に保つことが可能です。
また同じ格の着物であっても、サイズの大きいもののほうが高値で買取られる傾向にあります。これは現代人の体格が昔に比べて大きくなっているため、大きい着物のほうが利用価値が高いこと、着物の場合は仕立直しが効くため「大は小を兼ねる」ことが原因です。
証紙や落款を用意しておく
証紙や落款(作者のサイン)は、着物の品質を証明するものです。査定時に着物と一緒に提示するとその着物の価値を証明することができ、高値で買取してもらいやすくなります。
伝統工芸品の絣は高く売れやすい
絣の中でも伝統工芸品に指定されている絣は高値で買取ってもらえる可能性が高まります。伝統工芸品に指定されている絣には、伊勢崎絣、十日町絣、弓浜絣、久留米絣、琉球絣があります。
また、絣以外の着物の買取相場や高く売る方法についても詳しく知りたい方は、「着物の種類や素材別の買取相場まとめ!高く売るコツは?」を参考にしてください。
絣の買取におすすめの専門店
バイセル
絣の買取においておすすめの買取専門店がバイセルです。バイセルは総合的な高級品・骨董品の買取専門店であり、着物の買取に関しても業界シェアNo.1の実績を誇っています。その問い合わせの数は毎月21万件を超えると言われています。
またバイセルは出張買取専門店であり、日本全国に拠点を持ちながら、絣の着物1枚からでも専門の査定員が出張査定に対応してくれます。絣についても多数の買取実績があり、専門の研修を受けた査定員が査定してくれるため、伝統工芸品の高価な絣についてもしっかりと価値に見合った価格で買取ってくれます。
また、さらに詳しくおすすめの着物買取店について知りたい方は、「着物買取おすすめランキング!評判や口コミから35社を徹底比較!」を参考にしてください。