中村勇二郎とは?
中村勇二郎は、江戸小紋に用いるための型紙(伊勢型紙)の職人として名を馳せた人物です。
中村勇二郎は、1902年に三重県で誕生します。彼の生誕地は、古くより伊勢型紙の生産地として知られる土地で、父の兼松も伊勢型紙の職人でした。彼も父から型紙の製造技法を学び、職人として活躍します。
伊勢型紙は、江戸小紋をはじめとする着物の型紙として用いられる工芸品です。三重県の鈴鹿市周辺を主な生産地としており、現在でも90%以上がこの地で生産されています。
1955年には、伊勢型紙は、重要無形文化財の指定を受け、同じタイミングで中村勇二郎をはじめとする6名の職人が人間国宝の指定を受けました。
伊勢型紙には、「錐彫り」「突彫り」「道具彫り」「縞彫り」という4つの技法が存在しますが、中村勇二郎はこのうち、「道具彫り」の職人です。
道具彫りとは、花や扇などを形どった刃物で型紙をくり抜き造形を作る技法です。描く図法に応じて道具を作り分ける必要があるため、彫りの技術以外に金属加工の技術も要求される難しい技法です。
道具彫りの型紙は主に江戸小紋に用いられ、別称で「ゴットリ」と呼ばれることもあります。中村勇二郎が作る道具彫りの伊勢型紙は、細かい模様が特徴の江戸小紋の中において特に繊細な模様を特徴としています。
中村勇二郎の代表作には、「川端小紋」と呼ばれる作品があります。これは、川端康成がノーベル賞を受賞した記念に製作された本の表紙に用いられたことから名前がつけられています。
川端小紋には点描画のような緻密な模様を用いて花が構図化されており、あたかも繊細なデッサンを見せられているかのような感覚に陥ります。
中村勇二郎の着物は、川端小紋に代表されるような緻密な模様づくりにおいて、着物通の間で高い評価を獲得しています。
中村勇二郎の着物の価値
高い評価とは裏腹に、中村勇二郎の名が冠された着物は、他の人間国宝作家の着物と比較すると手頃な価格で取引されています。これは中村勇二郎自身が型紙職人であり、その型紙を用いた着物は「量産」が可能であるためです。
ただし、中村勇二郎の緻密な模様の良さを最大限に活かすためには相応の染めの技術も要求されるため、流通する着物はどれも高品質のものばかりです。
中村勇二郎の名を冠した着物は、市場では数万円から十数万円の価格帯で販売されています。買取価格については1万円〜5万円程度の間が相場のようです。
また、中村勇二郎以外の作家物や種類ごとの着物の買取相場について知りたい方は、「着物の種類や素材別の買取相場まとめ!高く売るコツは?」を参考にしてください。
中村勇二郎の着物を売るのにおすすめの買取専門店
バイセル
中村勇二郎の着物を売るのにおすすめする買取専門店はバイセルです。
中村勇二郎の名が冠された着物は、1万円から5万円程度での買取が期待できますが、着物の知識がない業者やリサイクルショップに査定を依頼した場合、その価値を見抜くことができず、不当に安い買取金額になってしまうことがあります。
バイセルに査定に出した場合は、着物の専門知識がある査定士が、中村勇二郎の着物の価値を見抜き、適切な査定額を提示してもらうことができます。
バイセルは他店でも1円でも安かったら返品可能を掲げており、中村勇二郎の着物も高価買取が期待できるため、まずは気軽に査定依頼してみることをおすすめします。
また、さらに詳しくおすすめの着物買取店について知りたい方は、「着物買取おすすめランキング!評判や口コミから35社を徹底比較!」を参考にしてください。