越後上布とは？ 越後上布とは、新潟県の南魚沼市や小千谷市を中心に生産される麻織物です。上布とは江戸幕府に上納された布のことであり、麻織物の中の高級品を表す単語ですが、越後上布はその中でも最高級品とされています。 越後上布は、「セミの羽」に例えられる程薄くてシャリ感のある生地が特徴です。風通しの良さと丈夫さを兼ね備えて...

宮古上布とは？ 宮古上布とは沖縄県の宮古島で生産される麻織物のことであり、越後上布と並んで麻織物の最高級品とされています。 宮古上布の歴史 宮古上布の起こりは16世紀と言われています。16世紀に琉球王国に献上された綾錆布という布地が、宮古上布の製造技術の元となっています。その後、17世紀には琉球王国は薩摩藩の支配下に収...

京友禅とは？ 京友禅は江戸の元禄時代に、当時京都で活躍していた扇絵師の宮崎友禅斎という人物が編み出した染物であり、複雑なデザインと様々な色を用いた豪華な絵柄が特徴です。柄には、菊・波・松などの自然の素材の他、動物なども多く用いられます。 現在の京友禅には、大きく分けて２つの製造方法があります。一つ目は型友禅です。型友...

加賀友禅とは？ 加賀友禅は京友禅・江戸友禅と並ぶ日本三大友禅のひとつで、元禄時代に生まれました。友禅とは着物に絵画のような模様を染める染織工芸のことで、加賀友禅は実写的に表現した草花模様が特徴になっています。 加賀友禅は加賀百万石の城下町で生まれた友禅であるため、武家風の凜とした落ち着きがある点が京友禅との違いです。...

東京友禅とは？ 東京友禅とは、江戸時代より東京で作られている友禅のことです。もともと友禅は、宮崎友禅斎という京都の扇絵師が作り上げた技法と言われており、織物に糊で輪郭線を描き、隣り合う色がにじまないように染色を行うことで複雑な模様を表す技法を指します。東京友禅は江戸時代、参勤交代で江戸を訪れた大名に随伴した染物技師が広...

江戸小紋とは？ 江戸小紋は、江戸時代に登場した小紋の着物です。小紋とは、着物全体に細かい模様が入った着物のことです。 江戸小紋は元々、江戸時代に江戸城に参じる際の大名の着物として広まったと言われています。江戸時代、大名たちの間で模様付きの裃（かみしも）の豪華さを競う風潮が生まれました。 その結果、贅沢を嫌う江戸幕府...

塩沢紬とは？ 塩沢紬とは、新潟県南魚沼市周辺で生産される絹織物です。塩沢紬は、大島紬・結城紬とともに日本三大紬と評される非常に価値の高い織物です。 塩沢紬の特徴は、縦糸に生糸、横糸に真綿の糸を用いて手織りする独自の製法です。細い糸を手織りすることによって織物に蚊絣（かがすり）・十字絣・亀甲絣（きっこうがすり）と呼ばれ...

結城紬とは？ 結城紬（ゆうきつむぎ）は茨城県結城地方で生産されている高級絹織物であり、紬の中では大島紬と並ぶ高級品として知られています。結城紬は国から伝統的工芸品として指定を受けており、重要無形文化財とユネスコ無形文化遺産の指定も受けています。 結城紬は本場結城紬とその他に大別され、本場結城紬は最も価値が高いとされて...

紬とは？ 紬(つむぎ）とは、反物になる前の糸の段階で染色された絣糸を使って織り上げた先染めの着物（織りの着物）のことで、「世界一緻密な絹織物」と称されています。 屑糸を紡いで作られた紬はとても丈夫であるため、昔は庶民の普段着として使われていましたが、最近はおしゃれ着として定着しています。紬はラフに着られる着物であり、...

大島紬とは？ 大島紬（おおしまつむぎ）は鹿児島県の奄美大島の特産物で、フランスのコブラン織りとイランのペルシャ絨毯と並ぶ世界三大織物としてその名は世界中に知られています。 大島紬は着物の女王と称される高級絹織物であり、約1,300年の歴史があります。特に本場大島紬は伝統的な製法で手間暇かけて作られており、高いものだと...